2015年に大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人を殺害したとして、一審で死刑判決を受けた山田浩二死刑囚(49)が控訴を取り下げたことについて、大阪高裁第1刑事部の和田真裁判長は16日、取り下げを無効とした高裁第6刑事部の決定を取り消し、同部に審理を差し戻した。「決定の判断には誤りがあり、そのまま是認できない」としている。
山田死刑囚は18年12月の一審・大阪地裁の死刑判決を不服として控訴したが、昨年5月に控訴を取り下げて判決が確定。取り下げは無効だとする弁護人の申入書を受けた第6刑事部の村山浩昭裁判長は昨年12月、取り下げは山田死刑囚が拘置所で刑務官と口論になり自暴自棄になった末だったとし、「ただちに確定させてしまうことには強い違和感と深い躊躇(ちゅうちょ)を覚える」として取り下げを無効と決定。大阪高検が異議を申し立てていた。
16日の決定で和田裁判長は、「強い違和感や深い躊躇」は無効の根拠とはなりえず、「無効を認めることは法解釈の枠を超えるものといわざるを得ない」と指摘。そのうえで、山田死刑囚の訴訟能力について判断資料が明らかに不足しているとして、第6刑事部で死刑囚の心理面に関する専門的知見を得たり、当事者から意見を求めたりするなど審理を尽くすのが相当だと結論づけた。
山田死刑囚の弁護人を務める辻…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル